05 半導体とUV
ダイシングテープの剥離に使用される紫外線(UV)照射装置について
半導体製造におけるダイシングとは?
半導体製造におけるダイシングとは、ウエハ上に形成された集積回路を切断し、チップ化する技術、工程のことを言います。
切断方式は、ブレード(砥石)を高速回転させて切断を行う「ブレードダイシング方式」、レーザーを照射しウエハを蒸発・昇華させて切断を行う「レーザーアブレーションダイシング方式」、レーザーをウエハ内部に集光し改質層を形成後、外力を加えることによって切断を行う「ステルスダイシング方式」の3種類があり、この中でブレードダイシング方式が最も一般的な切断方式と言われています。
この工程で、切断時にチップがバラバラにならないよう固定、保護をするために使用されるのがダイシングテープです。
ダイシングテープには、ダイシング工程後ウエハとテープを剥離させる際に紫外線照射を行うUV型と紫外線照射を行わないNon-UV型があります。UV型のダイシングテープは高い粘着力があり安定したウエハの固定が行えますが、紫外線を照射することにより硬化、粘着力が低下しウエハとテープの剥離が容易に行えるという特徴があります。
後工程における処理も容易になるため、ダイシング工程において広く採用されています。
ダイシングテープの剥離に使用される紫外線(UV)照射装置
照射する紫外線の波長は365nmが一般的であり、高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等のUVランプ、UV-LED、ブラックライト(蛍光灯)が紫外線照射装置の光源として使用されます。
照射方法は、照射部が可動してウエハをスキャンするように照射するタイプや、ウエハ全面を一括照射するタイプなどがあります。
また、酸素による硬化阻害を防ぐために窒素パージ機能が搭載されている装置もあり、均一に紫外線を照射、テープの硬化を行うことができ、後工程でのウエハの不良や破損を防げます。
最適な照射条件は使用するダイシングテープや光源により異なるので、生産条件に合わせた紫外線照射装置の選定が必要です。
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