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02 UVを基本から解説

UV光源の構造

弊社が取り扱うUV光源は、UVランプを用いたUVランプ光源、UV-LEDを用いたUV-LED光源の2種類に大別されます。 

UVランプ光源の構造


UVランプ光源は一般的(オプションによって構成は異なる)に、ランプを点灯させるためのランプ電源部、楕円ミラーを用いてランプの光を集光させるミラーユニット部、出射光量を調整する絞りユニット部、光の出射ON/OFFを制御するシャッターユニット部、光を目的位置へ伝搬するUVライトガイド部で構成されます。

ランプ電源部

ランプ電源が起動すると、まず、イグナイターを介してランプの電極間に高電圧を印加することで絶縁破壊を発生させます。その直後にランプ点灯時の定格電流の数倍の電流を電極間に短時間で流すことで、電極間の電流経路を形成します。以降、ランプの電気的定格を維持するようにランプ電流や電力制御をすることでランプは安定的に点灯します。

ミラーユニット部

ミラーユニットは、楕円ミラーの集光特性を利用してUVランプの光を効率よくUVライトガイド入射端面へ集光させます。
楕円ミラーには2つの焦点があります。第一焦点(f1)から発した光は楕円面で反射し、第二焦点(f2)に等倍で集光します。楕円ミラーの第一焦点(f1)にランプの輝点を、第二焦点(f2)にUVライトガイドの入射端面を配置することで、効率的な光をUVライトガイドへ入射することが可能となります。
尚、楕円ミラーの反射面には誘電体多層膜により、熱線等プロセスに不必要な波長の光は反射せず、透過するような構造となっています。

絞りユニット部 

UVランプ光源は、ランプ電極間の放電現象を維持することで点灯しています。この放電現象は、電気的な条件が変わることで容易に停止してしまいます。
そのため、 UVランプ光源での光量の調整にはランプにかかる電気的なエネルギーを変化させることは一般的にはおこないません。光をメカ的に遮光する(光を絞る)ことで光量の調整を行っています。
光を遮光するための絞り板は、円盤形状でモータによって駆動しています。絞り面には光の透過度の異なるメッシュが段階的に施されており、それを回転させることで光量を調整しています。遮光用のメッシュは、出射側の光を出来るだけ均一となるように設計されています。また、絞り板の回転軸方向には位置検出センサーが配置されており、0~100%の光量を確認することが可能な構造となっています。

シャッターユニット部 

UVランプ光源の光のON/OFF動作も絞りユニット同様に、光路途中にメカ的なシャッター板を設け、そのシャッター板を開閉させることで光のON/OFFをおこないます。弊社のシャッターユニットは、開閉のみの単純な動作から回転スピードが速いソレノイドを採用しています。絞りユニットと同様、位置検出センサーが配置されており、シャッターの開閉状態を確認することが可能です。

UVライトガイド部

UVライトガイドは、UVランプ光源から出射した紫外光を目的の位置まで伝搬するために利用されます。1本の直径がΦ数百μmのファイバー素線を複数本束ねた構造で、ファイバーの素線には紫外線を効率よく透過する石英が使われています。
また、ファイバー素線は二重構造となっており、内側(コア)、外側(クラッド)それぞれ屈折率の異なる石英材料が使われています。外側には屈折率の低い石英材料を、内側には屈折率の高い石英材料を使うことにより、内側(コア)に入った紫外線は外側(クラッド)との境界面で全反射を繰り返しながら伝搬されます。
UVライトガイドのファイバーの入射端面は紫外線が集光し高温になるため、耐熱性処理が施されています。また、入射側コネクタは光源出射部のアダプタに合わせた形状となっており、楕円ミラーの第二焦点(f2)位置に入射側端面を配置することで、紫外線を効率的に利用することが可能となります。

UVランプ光源の冷却

UVランプ光源に搭載される放電ランプは、比較的輝点の小さいショートアーク型のランプが使われるのが一般的です。この放電ランプは温度的な影響を受けやすく、かつ破裂の危険性もあるため、口金部や管球部等の温度を所定の温度範囲にする必要があります。また、放電灯の光変換効率は10%以下であり、それ以外は全て熱にかわってしまうため、光源内部の温度は相当上昇してしまいます。そのため、FANによる強制空冷により光源内部の雰囲気温度、ランプ各部の温度が最適な状況となるよう調整しています。

UV光源の構造

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