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02 UVを基本から解説

病院で使用される紫外線照射装置

病院で使用される紫外線照射装置の目的

病院や医療施設に於いて紫外線照射装置は主に殺菌(滅菌)、医療、分析用途で使用されています。

その他、、注射器のPC(ポリカーボネート)と金属の接合にも、UV照射装置が用いられています。

殺菌目的で使用される紫外線照射装置とは

病院では感染症の予防や医療機器の殺菌のために殺菌装置を使用します。殺菌の方法としては加熱法、照射法、ガス法などがあり、被殺菌物(医療機器等)の種類、殺菌の目的や水準などにより最適なものを選択します。

紫外線照射による殺菌にはUV-Cを使用します。紫外線殺菌装置は細菌やウイルスのDNAやRNAを破壊し、増殖や感染力を失わせることができるため様々な菌種に対して効果的な殺菌方法です。

薬剤を使用しないため残留物や副作用の心配がなく環境にも優しい方法です。また温度や湿度に影響されにくく、照射時間や強度を調整するだけで簡単に使用できます。紫外線殺菌装置は医療機器の安全性や効果性を高めるために重要な役割を果たしています。

ただし、紫外線が照射されない部分は殺菌ができないことや人体(目や皮膚)に対する危険性もありますので、使用する際には注意が必要です。近年では新型コロナウイルスの感染拡大により紫外線で空間を除菌する装置も普及してきています。

 

医療用途で使用される紫外線照射装置

医療用途としては光線療法用紫外線照射装置が挙げられます。紫外線には皮膚の免疫反応や炎症を抑えたり、細胞分裂を促したりする効果があり、難治性の皮膚病や悪性リンパ腫などの治療に使用されます。波長域はUV-A、UV-B、ナローバンド(狭帯域)UV-B

(311±2nm)などがあります。また近年開発された222nmの照射装置は人体にはほとんど影響がなく細菌を無害化できる波長として注目されています。 

 

分析用途で使用される紫外線照射装置

血液分析装置にも紫外線照射装置が使用されています。紫外線は可視光よりも波長が短く、物質の分子や原子に影響を与えることができます。

紫外線を血液に照射すると、血液中の成分が紫外線を吸収、発光、散乱等の反応をします。これらの現象を検出することで血液中の成分の種類や量を推定することができます。血液分析装置は透析治療の分野でも使用されています。

病院で使用される紫外線(UV)照射装置具体的アプリケーション

次に、病院使用される紫外線(UV)照射装置の具体的アプリケーションについて説明していきます。

①ウイルス抑制・除菌装置用紫外線(UV)照射装置

ウイルス抑制・除菌装置用UV照射装置

商業施設や病院などで使用されるウイルス抑制・除菌装置用としてUV照射装置が使用されます。UVを照射することで、ウイルスや細菌のDNA/RNA構造が破壊されるため、ウイルス抑制・除菌が可能になります。
UV-Cを用いて除菌効果を持たせる他、UV-Aと光触媒により、除菌+脱臭効果をもつ装置もあります。

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②注射針 樹脂・金属接合用紫外線(UV)照射装置

注射針製造工程において、PC(ポリカーボネート)と金属の接合用途として、UV照射装置が用いられています。

PCは紫外線を吸収し劣化の懸念があるため、照射角度や出力など、最適化が必要になります。 照射ヘッドについては、スポット型・ライン型の双方が、仕様に応じて用いられます

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③脱臭・消臭器用UV照射装置

脱臭・消臭器用UV照射装置

空間の脱臭・消臭用途として、UV照射装置が搭載される脱臭装置があります。365nm等の近紫外線LEDと光触媒により脱臭効果を持つ装置が多く、殺菌効果のある深紫外線265nm、280nmのLEDが用いられることもあります。脱臭・消臭装置は、多くの場合小型であり長寿命の必要性もあって、光源としてはUV-LEDが用いられます。

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