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02 UVを基本から解説

UVの透過率

通常、窓などに使用されているガラスは可視光線から近赤外線をよく透過します。可視光線では透過率90%(板厚3mm程度) 程度、反射率8%程度で残り2%は材料に吸収されてしまいます。紫外線では透過率が大きく異なり、400nm付近では90%近い透過率がありますが、350nm付近で40%程度、300nm付近では0%となり300nm以下の光は透過しません。そのため、紫外線を使用した装置や光源では、紫外線を透過するガラスを選定する必要があります。

BK7と透過率

一般的に光学ガラスとして古くからレンズやプリズムに使用されているガラスであるBK7(メーカーによってBSC7やBSL7)は、可視域では約92%と透過性がよいのですが、350-400nm程度では90%近くの透過率があるものの、300nm以下となるとほぼ0%に近い透過率となってしまいます。そのため、350nm以下の紫外線を透過する必要がある場合は、合成石英が多く使用されます。合成石英は他成分が含まれていない純粋なSiO2だけの光学ガラスとなり、BK7と比較すると紫外線での透過率が高く、200-400nmにおいて90%程度の透過率があります。

ARコートと透過率

ARコートの種類には、単層コートである単層反射防止膜と、多層コートである多層反射防止膜があります。単層反射防止膜は多層反射防止膜に比べると安価ではありますが、選択可能な膜材料が少ないため、反射率を多層反射防止膜まで抑えることは出来ません。多層反射防止膜は膜の層数を重ねることで、最適な反射防止効果を得ることが出来ます。膜の構成によっては特定の波長の反射率を抑える狭帯域反射防止膜や、広い波長帯域で反射率を抑える広帯域反射防止膜があります。紫外域でも透過率99.5%以上の仕様も可能となります。

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