05 半導体とUV
ステッパ・スキャナの露光に使用される紫外線照射装置について
半導体露光工程を支える「ステッパ・スキャナ」とは
半導体製造の「前工程」において、最も重要かつ難易度が高いプロセスがリソグラフィ(露光)です。この工程では、微細な回路設計図が描かれた「フォトマスク」のパターンを、シリコンウェハ上の「レジスト(感光材)」に転写します。
この役割を担うのがステッパ(縮小投影型露光装置)やスキャナ(走査型露光装置)であり、その心臓部といえるのが「紫外線(UV)照射装置」です。本コラムでは、これら露光装置に使用されるUV光の役割と、技術的な選定ポイントを解説します。
フォトマスクの回路転写に欠かせない紫外線照射の仕組み
露光装置は、いわば巨大で極めて高精度なプロジェクターのような構造をしています。紫外線照射装置から放たれた光は、フォトマスクを透過し、投影レンズを介してウェハ上に回路を焼き付けます。
なぜ「紫外線(UV)」が選ばれるのか?
半導体の微細化が進む中、転写できるパターンの最小寸法(解像度)は、使用する光の波長に依存します。光学的な解像度 Rは、以下のレイリーの式で定義されます。

この式からわかる通り、波長が短いほど、より微細な回路を描くことが可能になります。 そのため、可視光よりも波長の短い紫外線が、露光プロセスの標準光源として採用されているのです。
ステッパとスキャナの露光方式と光源に求められる特性
露光装置には大きく分けて2つの方式があり、それぞれ紫外線照射に求められる光学特性が異なります。
| 項目 | ステッパ (Stepper) | スキャナ (Scanner) |
| 露光方式 | 1ショットごとに静止して「一括露光」 | マスクとウェハを同期走行させ「スリット露光」 |
| 照射形状 | 正方形または長方形の面状照射 | 細長いスリット状の照射 |
| 求められる特性 | 広い有効エリア内での圧倒的な均一性 | スリット内での高エネルギー密度と応答性 |
ステッパは「ステップ・アンド・リピート」方式で、一度に広い範囲を均一に照らす能力が問われます。一方、現代の主流であるスキャナは、レンズの収差が少ない中心部分(スリット状)のみを高速でスキャンするため、短時間で十分な露光量を与えるための高照度が不可欠です。
露光装置に使用される主なUV光源とその特徴
使用される光源は、求められる回路の線幅(プロセスノード)によって使い分けられます。
- 超高圧水銀ランプ(i線:365nm / g線:436nm)長年使われている信頼性の高い光源です。特にi線は、パワーとコストのバランスに優れ、パワーデバイス、アナログ半導体、MEMS、液晶パネルなどの製造において現在も主役として活躍しています。
- エキシマレーザー(KrF:248nm / ArF:193nm)さらに高度な微細化が必要な先端ロジック半導体やメモリ製造では、深紫外(DUV)光であるエキシマレーザーが採用されます。
高品質な露光を実現するための紫外線照射装置の重要スペック
露光の質は歩留まりに直結します。装置選定において重視すべき技術ポイントは以下の2点です。
① 照度均一性(Uniformity)
ウェハの端と中心で照射エネルギーが異なると、回路の太さがバラついてしまい、デバイスの特性不良を招きます。弊社のような紫外線照射装置メーカーでは、フライアイレンズ(インテグレータレンズ)等の光学系を駆使して光を多重に重ね合わせ、極限までフラットな照度分布を実現しています。
② 波長の安定性と熱対策
光源からの熱によるレンズの熱膨張は、ピント(フォーカス)の微細なズレを引き起こします。高出力でありながら、不要な波長(赤外線など)を的確にカットするフィルタリング技術と、効率的な冷却機構が、装置の安定稼働と長寿命化を左右します。
半導体の露光に最適な光源、紫外線装置の選定は当社にお任せください!
ARKTECH株式会社では、露光工程に最適な紫外線光源を提供しています。当社の製品は、さまざまな製造ニーズに応じた柔軟な対応が可能で、高精度で安定した露光を実現します。お客様が使用を検討されている露光環境、求められる精度などを元に最適な光源をご提案、製造いたします。ぜひご相談ください。
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