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07 UVランプについて

キセノンランプとは?特徴や他光源との違いを解説!

キセノンランプとは

キセノンランプとは、その名の通り、ランプ内部に高圧のキセノンガスを封入したランプです。電極間に高い電圧をかけることでアーク放電を発生させ、光を得る高圧放電ランプの一種です。

基本的な構造は、高純度の石英ガラスで作られた管球(バルブ)と、その中に向き合う一対の電極、そして高圧の純粋なキセノンガスから構成されます。電源から高電圧が印加されると、電極間でアーク放電が発生。そのエネルギーによってキセノン原子が励起され、基底状態に戻る際に光を放出します。

この光は、紫外線から可視光線、赤外線まで、幅広い波長帯域にわたる「連続スペクトル」であることが最大の特徴です。その分光分布は太陽光に極めて近いことから、太陽光を人工的に再現するソーラーシミュレータや、色の再現性が求められる分野で使用されます。

その他のランプについて解説した記事もありますので、合わせてご確認ください。

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キセノンランプの特徴

キセノンランプには、特徴は以下の通りです。

1. 太陽光に酷似した「連続スペクトル」

紫外線(UV)から可視光、赤外線(IR)に至るまで、幅広い波長域で途切れることのない滑らかな光を放射します。特定の波長だけが強く出る「輝線スペクトル」の光源とは一線を画し、自然光に最も近い光質を実現します。

2. 圧倒的な「高輝度」と「高演色性」

非常に小さな発光点(点光源)から極めて強力な光を放つため、輝度が非常に高いのが特徴です。この特性により、レンズや反射鏡(ミラー)を用いて効率よく集光・平行化することが可能です。 さらに、可視光域のスペクトルバランスが太陽光に近いため、物体の色を忠実に再現する能力(演色性)にも極めて優れています。

3. 作業効率を高める「瞬時点灯・再点灯」

高圧水銀ランプやメタルハライドランプが必要とする数分間のウォームアップ時間がなく、電源投入後すぐに安定した光を得られます。また、消灯後のクールダウンを待たずに再点灯できるため、実験や生産工程における待機時間をなくし、作業のダウンタイムを大幅に削減できます。

    

他の紫外線光源との比較

紫外線を利用する光源は、キセノンランプ以外にも様々です。ここでは代表的な光源との違いを目的別に比較します。

光源種類特徴主な用途スペクトル
キセノンランプ太陽光に酷似した連続光。高輝度・高演色性。耐候性試験、ソーラーシミュレータ、分光分析連続スペクトル
高圧水銀ランプ特定の紫外線波長(i線、h線、g線)が非常に強い。UV硬化・接着、露光装置、殺菌輝線スペクトル
メタルハライドランプ水銀ランプに金属ハロゲン化物を添加し、特定の波長を調整・強化。UV硬化、光化学反応、漁業用集魚灯輝線スペクトル、連続スペクトル
UV-LED光源単一波長の光をピンポイントで高効率に照射。長寿命・省エネ。UV硬化(インク、樹脂)、殺菌・脱臭狭帯域スペクトル

 

キセノンランプを当社のランプに置き換えることでコストダウンが可能!

当社では、各社UV照射装置に搭載されているUVランプの置き換えサービスを提供しています。各メーカーが提供する既存のUVランプから当社のUVランプに置き換えることで、品質を維持したまま約2割~3割のコストダウン実績を持ちます。

UVランプ置き換えサービスについて、置き換え対象のUVランプメーカーは、どこでも可能です。UVランプは消耗品となりますので、ランニングコストの低減に大きく貢献します。 ホルダー付のランプについては光軸の位置関係を最適化しますので、置き換え前と比較し品質が落ちるということはありません。ご安心ください。

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