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07 UVランプについて

超高圧水銀ランプとは?特徴や他光源との比較をご紹介!

超高圧水銀ランプとは

超高圧水銀ランプは、その名の通り、点灯中の水銀蒸気圧が非常に高い状態でアーク放電をさせることにより、強力な紫外線を放射するランプです。

超高圧水銀ランプの発光は、ランプ内に封入された水銀蒸気中でのアーク放電により行われます。電極間に高電圧を印加すると放電が開始され、流れる電子が水銀原子と衝突します。これにより水銀原子がエネルギーの高い励起状態に遷移し、その後、基底状態や準安定状態に戻る際に特定の波長の光(輝線スペクトル)を放射します。

点灯中のランプ内部は、水銀蒸気圧が数十気圧から時には200気圧(約2×10^7 Pa)以上にも達する「超高圧」状態になります。この高い圧力下では、水銀原子間の相互作用が強まり、輝線スペクトルが幅広くなるとともに、連続スペクトルも放射されるようになります。

そのため、特に紫外域から可視域にかけて強いエネルギーを持つ水銀特有の輝線(例:i線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)など)が効率よく得られます。

 

超高圧水銀ランプの種類

超高圧水銀ランプは、アーク長(電極間の距離)によって大きく二つに分類されます。

◆ショートアークランプ

電極間距離が数mmと短く、点光源に近い高輝度な光が得られるのが特徴です。光学系との組み合わせで平行光や集光を得やすく、半導体露光装置(ステッパー、アライナー)、液晶パネルの露光、プロジェクター、顕微鏡光源などに利用されます 。

 
◆ロングアークランプ

電極間距離が比較的長く、管状の形状をしています。線状の光源として複数本並べて配置することにより、広い面積への均一な照射や、特定の形状に合わせた照射などに用いられることがあります。CRTの蛍光体焼き付けや製版などにも使用されます。

 

超高圧水銀ランプの特徴

超高圧水銀ランプの特徴として以下があります。

高輝度・高出力

最大の特徴は、単位面積あたりの光出力が非常に高く、高輝度である点です。特に紫外域の主要な輝線において高い放射強度を持ちます。

発熱量

高出力である反面、発熱量が非常に大きいため、強制空冷や水冷などの冷却装置が必須となり、装置全体のサイズや消費エネルギーに影響します。

 

超高圧水銀ランプと他の紫外線光源との比較

低圧水銀ランプとの違い

低圧水銀ランプは、ランプ内の水銀蒸気圧が低い状態で放電し、主に殺菌効果の高い185nmと254nmの紫外線を効率よく放射します。超高圧水銀ランプと比較すると、輝度は低いものの、ランプの発光効率(入力電力に対する紫外線出力の割合)が高く、主に空気や水の殺菌、表面処理(UV洗浄・改質など)に用いられます。超高圧水銀ランプのような多様な輝線スペクトルは持たず、出力も限定的です。

 

メタルハライドランプとの違い

メタルハライドランプは、水銀に加えて金属ハロゲン化物(ヨウ化インジウム、ヨウ化ガリウムなど)を封入することで、特定の波長域の出力を増強したり、より太陽光に近い演色性の高い光を得たりすることができるランプです。超高圧水銀ランプと同様に高輝度ですが、封入する金属の種類によって多様なスペクトル特性を持たせることが可能です。UV硬化や露光、一般照明、プロジェクターなど幅広い用途で使われます。超高圧水銀ランプも広義にはメタルハライドランプの一種と捉えられることもありますが、一般的には区別されます。

 

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