04 紫外線(UV)照射装置の基礎
蛍光浸透探傷検査に使用される紫外線(UV)照射装置について
蛍光浸透探傷検査とは
蛍光浸透探傷検査とは、非破壊検査の一つで、対象物を破壊せずに亀裂等の傷の有無を調べることができる検査です。
この検査では、蛍光物質が添加された浸透液を検査対象物に塗布し、傷に浸透させた後、表面の浸透液を除去し、暗所でブラックライト(波長365nmを中心とする紫外線)を照射することで浸透液が発光し、目視では発見することが難しい微細な傷を検出することができます。

蛍光浸透探傷検査に使用される紫外線(UV)照射装置とは
蛍光浸透探傷検査において、検査対象物の観察を行う工程で紫外線(UV)照射装置は用いられます。
装置に使用される光源としては、水銀ランプやUV-LED等があります。UV-LEDは水銀ランプと比べると消費電力が少なく長寿命で、ランニングコストに優れています。さらに水銀等の有害物質も含まれていないため、安全かつ環境にも配慮した光源です。そのため、現在では蛍光浸透探傷検査用の紫外線(UV)照射装置の光源にUV-LEDを使用するのが主流になっています。
照射される紫外線の波長は、通常365nmが使われますが、これは、蛍光染料や蛍光マーカーが最も効果的に蛍光を放射する波長帯域に対応しているためです。
金属、非金属を問わず様々な素材や構造物に対して検査を行えるため、主に工業分野全般において広く活用されています。
また、蛍光浸透探傷検査とは異なりますが、紙幣の偽造防止検査や鉱物・宝石類の鑑定等にも紫外線(UV)照射装置が用いられています。使用される波長としては365nmの他に254nmが使用される場合もあります。
これは紙幣に使用されている特殊なインクや鉱物・宝石に含まれている物質によっては254nmを照射することで蛍光発光するためです。
蛍光浸透探傷検査に使用される紫外線(UV)照射装置のアプリケーション
ここからは、サンシャインウェザーメーターに使用される紫外線(UV)照射装置の具体的なアプリケーションについて紹介します。
蛍光浸透探傷装置用紫外線(UV)照射装置

蛍光浸透探傷装置は、蛍光物質が添加された浸透液をワークに塗布し、紫外線を当てることで、目視による発見が難しい傷の有無を、非破壊で検査する装置です。蛍光浸透探傷装置では、ブラックライト照射時の紫外線強度が規格により定められていることが多く、1,000μW/cm²以上の強度が一般的には求められます。
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