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06 紫外線(UV)照射装置の用途

UV-C(深紫外線)とは?波長の特徴や殺菌・洗浄効果、ランプとLEDの違いまで徹底解説!

UV-C(深紫外線)とは?波長の分類について

紫外線は波長の長さによって、以下の3つに分類されます。

紫外線の波長による分類(UV-A, UV-B, UV-C)

UV-A(315~400nm)は、太陽から放射される波長315~400nmの光であって、大気圏でほとんど吸収されないため、ほぼ99%が地表に到達しています。またUV(紫外線)の中では波長が長く、主にUV硬化用途に用いられる波長域になります。

このようなUV硬化は200nm〜400nmの波長域の範囲で反応が起こります。その中でも、硬化を目的とする場合、365nmの波長が用いられることが多いです。

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UV-B(280~315nm)は、太陽から放射される波長280~315nmの光であって、大気圏で強く吸収されますが、一部が地表に到達しています。人体に与える影響として、皮膚に赤く炎症をおこさせ、メラニン色素を増やします。 皮膚にあたった光の多くは皮膚表面で吸収されてしまいますが、繰り返し浴びる事によってシワやシミなどの老化の促進につながります。特に、波長280nm付近の光は皮膚がんや白内障等を引き起こす原因のひとつとされています。

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UV-C(100~280nm)は、

太陽から放射される波長200~280nmの光で、大気圏の酸素やオゾンにより強く吸収されるため、地表には到達しません。

しかし、この紫外線が生物に与える影響については注意が必要です。生物の遺伝情報を司るDNAの吸収は260nm付近にあります。そのため、人体に波長260nm付近の光が照射されるとDNAが損傷し、皮膚がん等の突然変異を引き起こす可能性があります。更にこの波長域は光エネルギーが高いため、大気中の酸素を分解させ、人体に有害なオゾンを発生させます。

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なぜ「深紫外線」と呼ばれるのか

一般的に、可視光線から近いUV-Aなどを「近紫外線」と呼ぶのに対し、より波長が短く、可視光線から遠い(深い)領域にあるため「深紫外線」と呼ばれます。この短い波長が持つ「高い光子エネルギー」こそが、強力な殺菌作用や化学結合の分解作用を生み出す源泉です。


UV-Cが持つ2つの強力な効果とメカニズム

UV-Cには、大きく分けて「殺菌・不活化」と「洗浄・表面改質」という2つの主要な効果があります。それぞれのメカニズムを解説します。

1. 強力な「殺菌・不活化」作用

UV-Cは、細菌、ウイルス、カビなどの微生物に対して強力な殺菌効果を発揮します。これは熱による殺菌や薬品による殺菌とは異なり、光化学反応を利用したものです。

生物の細胞核にあるDNA(デオキシリボ核酸)やRNAは、特定の波長の紫外線を吸収しやすい性質を持っています。特に254nm~265nm付近の波長はDNAへの吸収率が高く、照射されるとDNAの二重らせん構造が破壊(チミン二量体の形成など)されます。これにより、微生物は増殖機能を失い、死滅または不活化します。

この特性から、クリーンな殺菌方法として広く利用されています。

 

2. 有機物の分解による「洗浄・表面改質」

工業分野、特に半導体や液晶、フィルム製造などで重要視されるのがこの効果です。ここでは主に185nm(真空紫外線)と254nmの2つの波長が活躍します。

185nmの紫外線が持つ高いエネルギーが、対象物表面の有機汚れ(炭素結合など)を直接切断・分解します。また同時に空気中の酸素(O₂)が185nmの紫外線を吸収し、強力な酸化力を持つオゾン(O₃)と活性酸素を生成します。分解された有機物は、活性酸素と反応してCO₂やH₂Oなどの揮発性物質となり、表面から除去されます。

このプロセスにより、ガラスや樹脂表面の目に見えないレベルの汚れが除去され、「濡れ性(親水性)」が劇的に向上します。これを「表面改質」と呼び、接着剤の強度向上やコーティングの均一化に利用されています。


光源の種類:低圧水銀ランプとUV-C LEDの違い

UV-Cを発生させる光源は、長年主流であった「低圧水銀ランプ」と、近年技術革新が進む「UV-C LED」の2つに大別されます。

実績豊富な「低圧水銀ランプ」

ガラス管の中に水銀蒸気を封入し、放電によって紫外線を発生させる方式です。

2つの主要波長: 殺菌作用の強い254nmと、オゾン生成能力のある185nmの両方を効率よく放射できます(※オゾンレスタイプもあります)。

高出力・広範囲: 長いランプを作成できるため、広いコンベアラインの一括処理や、大光量が必要な水処理に適しています。

変換効率が高い: 現時点ではLEDよりも電気から光への変換効率が高く、ランニングコストを抑えやすい場合があります。

 

進化する「UV-C LED」

発光ダイオード(LED)技術を応用し、深紫外線を発生させる次世代の光源です。「水銀に関する水俣条約」の影響もあり、環境負荷の低い光源として注目されています。

単一波長: 265nm、275nm、285nmなど、特定の波長のみをピンポイントで照射できます。

瞬時点灯・点滅: ランプと違いウォームアップ時間が不要で、必要な時だけ瞬時にON/OFFが可能。寿命を無駄に消費しません。

コンパクト・低温: 装置の小型化が可能で、熱影響を抑えたい対象物への照射に適しています。

水銀フリー: 環境規制のリスクがなく、破損時の安全性も高いです。


紫外線(UV)照射殺菌装置のアプリケーション

ここからは、紫外線(UV)照射殺菌装置の具体的なアプリケーションついて紹介します。

ウイルス抑制・除菌装置用UV照射装置

ウイルス抑制・除菌装置用UV照射装置

商業施設や病院などで使用されるウイルス抑制・除菌装置用としてUV照射装置が使用されます。UVを照射することで、ウイルスや細菌のDNA/RNA構造が破壊されるため、ウイルス抑制・除菌が可能になります。
UV-Cを用いて除菌効果を持たせる他、UV-Aと光触媒により、除菌+脱臭効果をもつ装置もあります。

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UV水除菌装置

水の除菌装置には、UV照射装置が搭載されています。水除菌装置の用途は、上下水道、飲料、ボイラー水など様々です。220nm程度の深紫外線領域のUVが用いられており、水銀ランプを光源にすることが一般的です。

265nm,280nm程度のUV領域であれば、水銀ランプではなくUV-LEDを活用することも可能であり、長寿命化を実現できます。

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茶葉殺菌用紫外線(UV)照射装置

茶葉殺菌装置用UV照射装置

茶葉製造工程では、病原微生物の殺菌工程があり、UV照射装置が用いられることがあります。コンベア搬送ラインや空気輸送ラインにUV照射装置が搭載され、自動で殺菌されます。

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生ごみ処理機用紫外線(UV)照射装置

生ごみ処理機には、殺菌・脱臭のためにUVランプが搭載される場合があります。UVランプを光源としたUV照射装置にて脱臭システムを構築することで、生ごみの匂い成分を除去することができ、さらに小型化が可能なため家庭用の生ごみ処理装置に最適です。

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自動車 脱臭・除菌用小型UVランプ

こちらは自動車内で使用する脱臭・除菌を目的とした小型のUVランプです。

車内で使用するアクセサリー製品になるため、サイズは100mm×50mmと小型形状となっております。また、本アプリケーションの光源はランプの中でも12Vで使用可能な低圧水銀ランプで、波長としては254mm、UV-Cの領域となります。

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カビ予防・殺菌用紫外線照射装置

カビの予防や殺菌を目的として紫外線照射装置を用いることがあります。具体的には、図書館などでは書籍のカビ発生を防ぐ目的で利用されることがあります。

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